Warner Bros. Discovery(WBD)が、CNNのライブ放送を自社配信サービスのMaxで今年後半から提供する計画のようです。WBDによる公式発表ではありませんが、Bloomberg が関係者の情報として第一報を伝えています。
WBDは米国外でCNNライブをMaxで配信することはすでに決定しているようです。ただ、米国内では、Comcast、Charter、DirecTV、Verizon FiosなどのPay TV各社との契約が問題になります。Pay TVとの契約は、CNNの大きな収入源であるため、どのように進めていくのか注目が集まります。ちなみにスポーツではESPNが同様の課題を抱えていますが、現状ではESPN+は別コンテンツとなっています。
Maxはリブランドして5月に再スタートしたばかりで、現状ではニュースやスポーツを売りにしたサービスではなく、Discovery+のドキュメンタリーやHBO Maxの映画やTVドラマといったコンテンツが中心です。CNN系では、2022年ローンチ直後に廃止したCNN+のコンテンツである「Who’s Talking to Chris Wallace」、「The Whole Story with Anderson Cooper」はMaxにオンデマンドで組み込まれています。WBD経営陣は、ライブニュースのCNNが加われば、Maxに大きな付加価値が付き、激戦の配信市場での競争力が増すと考えているようです。
配信市場では、ライバルのParamount+とPeacockはライブスポーツが中心で、ニュースについては方針をクリアにしていません。Netflixはニュースには一切投資していませんし、Amazon、Appleもニュースには重きを置いていません。同様の立ち位置で言えば、NBCUはMSNBCなどを持ちますが、こうしたチャンネルをそのままライブでPeacockで配信はしていません。(同様にケーブルとの契約が絡んでいるものと思われます。)
CNNの契約者数は、2020年の8500万人から今年は7000万人まで減っています(S&P Global Market Intelligence)。今年3月時点でのHBO、HBO Max、Discovery+の合計契約者数は1億人となっています。
CNNも進むコードカットにはどこかで対応せねばならず、この問題は近い将来回答を出さねばならない問題となりそうです。