ESPNは今年で4回目を迎えたスポーツメディアテックに関する年次会議「ESPN Edge Innovation Conference」 において、生成AIアバタ[…]
ESPN、生成AIアバターの番組内活用をテスト
ESPNは今年で4回目を迎えたスポーツメディアテックに関する年次会議「ESPN Edge Innovation Conference」 において、生成AIアバターの「FACTS」を発表しました。現在も開発段階にあるFACTSはカレッジフットボールの番組「SEC Nation」でテストが始まったところで、アバターが実際に番組に登場するタイミングは未定ということです。
ESPNはFACTSとして若い男性のアバターを披露しており、会場で実演はなかったのですが、物知りの専門家と話しているときのようにフットボールに関する質問に答えたり、うんちくも交えつつ楽しみ方を教えてくれたりするようです。ESPNは今秋からウェブサイト用に試合のリキャップをAIで作成していますが、FACTSは視聴者にフットボールについてより深く知ってもらうことでエンゲージメントを高め、新規オーディエンスにもリーチするAIの新たな可能性を模索する試みとなります。
SEC Nationでのテストでは、試合前のディスカッション用にFACTSが試合やフットボールに関するデータやインサイトを提供するそうです。(これまで言うアナリストデスクの代わりという感じでしょうか)
FACTSでは、チーム力を基に試合結果やシーズンの成績を予測するESPN独自のレーティングシステム「Football Power Index」、プレイヤーとチームの統計データ、試合スケジュールなどのデータを統合した「ESPN Analytics」を使って回答を生成します。ESPNは、NvidiaのACE(Avatar Cloud Engine)、Azure OpenAI、ElevenLabsの音声合成技術を使ってFACTSを開発したということです。
AI活用をめぐっては、雇用喪失を引き起こすという根深い懸念もありますが、SEC Network/ESPNのCoordinating Producer、Baron Millerは「FACTSはジャーナリストやタレントに取って代わることを意図しているのか?」という質問に、その可能性を強く否定。FACTSの位置づけを「インサイトを提供し、ジャーナリストやタレントを補完する」と説明しています。
(参考リンク)
https://www.theverge.com/2024/11/15/24297606/espn-generative-ai-avatar-facts