早くからリニアのアドレサブル広告であるアドレサブルTVに積極的に取り組んできたDishですが、リニアとストリーミングのアドレサブル在庫をプログラマティックに取引できるDish Connectedを発表しました。
Dishはこれまでもプログラマティックでリニア在庫を販売していますが、1:1でなく1:マスの広告在庫のみを対象としていました。今後は、Sling TVなどのストリーミングサービスに合わせて、リニアの1:1のアドレサブル在庫を購入することが可能になります。
これによりDishは提供できるビッドが可能な(Biddable)インプレッションが月に10億から30億に跳ね上がるとしています。
業界ではリニアとデジタルの統合が叫ばれているものの、Dishは引き続きバイサイドではバイイングのチームは別であると指摘。リニア在庫をよりプログラマティックで販売することは、デジタルバイヤーには魅力的だとしています。
Dishはパイロット版をHorizon Media、Havas Media、Camelotなどとテストしており、6月の第二週には一般公開する予定です。
バイヤーは、それぞれのファーストパーティーデータを活用して、それぞれのDSPからオーディエンスをアクティベーションし、Dish側はSSPのMagniteを利用して、プライベートオークションを実施します。
Dishの放送とSling TVの配信は、ほとんどユーザーが被っておらず、リニアとストリーミングの双方にリーチしたいという広告主には訴求できると期待してます。
リニアとストリーミングの組み合わせは、ストリーミングのみを購入するよりも広く、スケールのあるオーデェインスにリーチできます。現にCamelotはCTVに合わせてリニア在庫も買うことで、ターゲットオーディエンスによりリーチができたとしています。
リニア在庫をプログラマティックで販売するのは難しく、Dishは複数年かけてソリューションを開発してきました。アドレサブルのアドコールにリニアのライブの在庫を入れ込むには、ユニークな広告タグを設定し、次のCMブレークまでにリアルタイムビディングの準備をしておく必要があります。Dishはこうした開発を終え、実際にリニアのアドレサブル在庫を売りだすところまで来ています。
Dishは、広告配信がスムーズに行くように、サードパーティーのFreeWheel、Invidiとも広告枠の設定について協力を得ています。
また業界的では広告枠を確保できるProgrammatic Guaranteed(PG)が好まれる傾向にありますが、Dishはプライベートマーケットプレイスでのビッダブル(Biddable)な環境は、バイヤーにとって価格面やキャンペーン中のオプティマイゼーションなどで役立つとしており、今後業界はPGからビッダブルに移行するだろうと予想しています。