MLBは、2026〜2028年シーズンを対象に、ESPN、NBCU、Netflixと新たな全米放映・配信契約を締結しました。報道によると、3社合計の契約規模は年[…]
ESPN・NBCU・Netflix、MLBと新契約
MLBは、2026〜2028年シーズンを対象に、ESPN、NBCU、Netflixと新たな全米放映・配信契約を締結しました。報道によると、3社合計の契約規模は年間約$800M(1,200億円)、イベント権利などを含めると約$1.3B(1,950億円)に達する見込みです。
今回の契約は、ESPNが今年2月、35年間更新してきたMLBとの現行契約を2025年シーズン終了をもって打ち切ると発表したことに伴い、そこで放棄された一部の放映権と、かつてRokuが保有していた契約を対象に再編されたものです。9月にはMLBと3社の交渉が大詰めを迎えたことが報じられていました(9月25日付記事参照)。

- ESPN
ESPNは、新ストリーミングサービスの「ESPN」において、アウトオブマーケット試合向け配信サービス「MLB.TV」を販売・配信する権利に加え、レギュラーシーズン30試合をリニアと配信サービスで中継する権利を取得しました。さらに2026年からは、PadresやMarinersを含む 6球団のインマーケット試合の権利(local in-market rights)を独占します。「ESPN Unlimited」(ESPN全コンテンツにアクセスできるプラン)加入者向けには、アウトオブマーケット試合を年間150試合以上提供する予定です。
また、「MLB Little League Classic」の独占放映権を維持し、新たに Memorial Day特別試合とオールスター後の開幕戦の権利を取得します。一方で、35年間放送してきた「Sunday Night Baseball」の放映権は、今回の契約でNBC Sportsに移行します。契約額は年間約$550M(825億円)規模とされ、旧契約と同程度と伝えられています。
- NBCU
NBCU傘下のNBC Sportsは、年間約$200M規模の契約でSunday Night BaseballをESPNから引き継ぐとともに、Opening Dayの一部試合、「Wild Card Round」全試合 などの権利を得ました。これらはNBC、新ケーブルスポーツチャンネルNBCSN、Peacockなどで放送・配信されます。
これにより、NFLの「Sunday Night Football」、NBAの「Sunday Night Basketball」と並び、日曜夜に年間を通じてスポーツ中継を編成する体制が整います。
- Netflix
Netflixは年間約$50M(75億円)規模の契約で、シーズン開幕前夜の特別試合「Home Run Derby」、映画『Field of Dreams』の撮影地で行われる特別試合などの放映・配信権を取得しました。また、これより前にNetflixは、2026年の World Baseball Classic(WBC)全試合を日本で独占配信することが発表されています。ラインナップとしては限定的ですが、ライブイベントを継続的に扱うことになります。
なお、今回の3社の新契約は、Fox SportsおよびTNT Sportsとの現行契約とは別枠であり、FOXはレギュラーシーズンの試合、「All-Star Game」「World Series」「League Championship Series(LCS)」「Division Series」、TBSはLCS、Division Series、レギュラーシーズン中の火曜夜の試合、Apple TVはレギュラーシーズン中の「Friday Night Baseball(ダブルヘッダー)」を引き続き放映・配信します。
長年MLBのローカル試合の多くを担ってきたリージョナルスポーツネットワーク(RSN)が破綻し、放映モデルの再編が進んでいます。2024年11月には、破綻したDiamond Sports(現Main Street Sports Group)がAmazonと契約し、同社の16のRSNをPrime Video加入者向けアドオンとして提供することに合意しました。今回のMLB契約は、こうしたローカル放映権の環境変化と並行して進められたもので、今後もストリーミング事業者を含む再編が続く可能性があります。
一方、MLBの視聴者数は増加傾向にあり、2025年のWorld Seriesは米国とカナダで2,400万人以上が視聴し、第7戦は2016年以来で最高の視聴率を記録しました。リアルタイム視聴の比率が高いスポーツ中継は、録画視聴が少ないことから、広告価値が維持しやすいとされています。
次に注目される大型契約は、NFLが2021年に締結した期間11年の放映契約について、2029年に契約解除オプションを行使するかどうかです。CommissionerのRoger Goodell氏は、交渉開始が前倒しされる可能性に言及しています。主要スポーツリーグの放映権動向は、今後もメディア企業の事業戦略に大きな影響を与えそうです。
(参考リンク)
https://www.axios.com/2025/11/20/mlb-espn-netflix-nbc-rights-deal
https://frontofficesports.com/mlb-finalizes-short-term-tv-rights-deals-adds-nbc-and-netflix/







