NFLはRedBird Capitalと提携し、NFLの試合を商業施設へ配信する合弁会社を設立しました。将来はNFL以外のスポーツやイベントの配信も手掛けたい考えです。
新会社はEverPass Mediaと呼ばれ、来シーズンから「NFL Sunday Ticket」を米国内のバーやレストラン、ホテル、その他商業施設へ配信する独占的権利を取得しました。Sunday Ticketはスポーツバーに人気の定額制パッケージで、日曜日に実施されるアウト・オブ・マーケットの試合をすべて視聴できます。
YouTubeは昨年、Sunday TicketをYouTube TVとYouTube Primetime Channels経由で米国内の一般消費者に配信する権利を年間約$2B(2,600億円)で取得する7年間の契約をNFLと結びましたが、商業施設への配信権(commercial rights)は対象外でした。それ以前はDirecTVがほぼ30年にわたり世帯用と商業用の両配信権を保有していました。
WSJはSunday Ticketの商業用配信権の費用を年間$200M(260億円)と報じています。
NFLがYouTubeと提携したように、カレッジフットボール、サッカー、野球などほかの人気スポーツもストリーミングに移行しています。ESPN+やPeacock、Paramount+などストリーミングサービスは新規加入者獲得手段としてスポーツ中継に多額の投資を行っています。
WSJによると、複数の試合を複数テレビで同時に視聴する商業施設にとって、スポーツ中継の放送やケーブルネットワークからストリーミングサービスへの細分化は潜在的な課題です。例えばテレビ3台で異なるストリーミングアプリ6種類を起動するといったこともあり得るわけで、スケールアップできるソリューションとは言えません。EverPass Mediaはひとつのストリーミングプラットフォームでスポーツコンテンツをバンドル提供することで、この課題を解決しようという戦略です。