映画俳優組合‐米テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)と全米テレビ制作者協会(AMPTP)の交渉が11日、決裂しました。5月に始まった米脚本家協会(WGA)のストライキが9月末に終了したことを受け、俳優組合も10月2日、7月中旬のスト入りから初めて交渉を再開しましたが、合意に至らず再び中断となり、期待されたハリウッドの正常化は先が見えない状況です。
俳優陣は、ストリーミング配信に対する報酬改善や、俳優を複製したAI生成画像の使用管理(AIによる代替からの俳優の保護)などを求めています。交渉決裂後、AMPTPは声明を出し、SAG-AFTRAの最新の要求は年間$800M(1,040億円)の追加費用がかかるものであり、スタジオ側に「耐え難い経済的負担」が生じると主張。「両者の間の隔たりはあまりにも大きく、話し合いはもはや生産的な方向には進まない」と交渉中断の理由を説明しています。
これに対してSAG-AFTRAは、組合員への書簡で、AMPTPが示した費用見積もりは60%も誇張されていると反論。AI利用やストリーミング配信の収益分配について、妥協案を出したものの拒否されたとしています。
WGAによるスト終了後、深夜のトーク番組が放送を再開し、「Saturday Night Live」などほかの番組も間もなく始まる見通しです。ですが、俳優組合のスト継続で、台本ありの番組や映画の制作は無期限に休止されたままとなり、多方面への影響が懸念されます。