EDO、DoubleVerifyと提携

EDOとDoubleVerify(DV)が提携です。   DoubleVerify(DV)は23年7月にAIを活用したデジタル広告キャンペーン最適化の[…]

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EDOとDoubleVerify(DV)が提携です。

 

DoubleVerify(DV)は23年7月にAIを活用したデジタル広告キャンペーン最適化のScibidsを買収し、DVの持つメディア品質とビューアビリティなどのパフォーマンスデータをScibidsのAIエンジンやリアルタイム最適化アルゴリズムと組み合わせて活用をしてきました。入札前に広告インプの質や効果を予測するプリビッドシグナルを活用することで、広告費を効率的に配分することも可能だとして、DVの持つデータのプログラマティックへの活用を訴えてきました。

 

今回のEDOとの提携では、EDOの持つ広告に対する視聴者のエンゲージメントデータがScbidsで活用されます。これによりEDOのデータを活用したCTV広告のターゲティングとアウトカム測定が可能になります。EDOはエンゲージメント指標とそれに紐づいた1億3300万件以上のストリーミング広告の過去データを保有しています。

 

EDOとDV ScibidsはDSPと連携しており、広告主はDV360、The Trade Desk、Xandrを通してこの機能を使用できます。

 

EDOとDVは高エンゲージメントの市場や広告配置を特定し、優先することで、エンゲージメントの高い在庫を広告主が購入できるようにします。例えば、シカゴやデトロイトで広告へのエンゲージメントが高ければ、他の地域から広告をシフトするなどが可能になります。

 

EDOは昨年Nielsenとも提携し、EDOのデータをNielsenのGRPにレイヤーすることで、エンゲージメントが高いGRPの購入が可能になるデータ統合を開始しています。

 

アテンションも含めてエンゲージメントの分野は熱くなってきていますね。DVやIASはかねてから高アテンションやフラウドフリーの在庫のみを買えるプレビッドシグナルの提供に注力していますから、そこにEDOの指標やデータが加わるのは面白いですね。

 

(参考リンク)

https://adage.com/article/digital-marketing-ad-tech-news/edo-and-doubleverify-bring-outcome-signals-ctv-programmatic-buying/2596536

プログラマティック取引、透明性確保に依然課題

全米広告主協会(ANA)がプログラマティックサプライチェーンの透明性に関するベンチマーク調査の結果を発表しています。透明性の確保に向けて進歩はみられるものの、プ[…]

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全米広告主協会(ANA)がプログラマティックサプライチェーンの透明性に関するベンチマーク調査の結果を発表しています。透明性の確保に向けて進歩はみられるものの、プログラマティック広告投資の半数近くはいまも適切に機能しておらず、課題は山積しているとの認識を示しました。

 

ANAは昨年6月、 プログラマティックメディアのエコシステムの透明性に関する調査報告書「Programmatic Media Supply Chain Transparency Study」の第一部をリリースし、同年12月にフォローアップ調査の結果を公表しました。今回発表されたベンチマーク調査「2024 Programmatic Transparency Benchmark Study」は複数マーケターのログレベルデータを集約したもので、今年6月の第一弾リリースに続く第二弾となります。

 

ANAは昨年6月の報告書で、2023年のオープンウェブ・プログラマティック市場規模を約$88B(12兆3,200億円)と推定し、そのうち25%相当の$22B(3兆800億円)が、MFA(made-for-advertising)サイト(広告のために作られたウェブサイト)、間接的サプライパス(indirect supply paths)、無効なトラフィック、その他多数のアドテク不正行為などのために無駄に使われているとの分析結果を示しました。MFAサイトは、センセーショナルな見出しやコンテンツでインプレッションを稼ぐために作られるサイトを指し、広告媒体としての見かけの価値を高め、大量の広告枠を高く販売するために使われるもので、昨今問題視されています。

 

ほかにも、平均的なプログラマティックキャンペーンは44,000もの大量のウェブサイトで実施されており、MFAがプログラマティックインプレッション全体の20%以上を占めていると報告。ANAは、プログラマティックをめぐるこれら問題について広告業界に広く警鐘を鳴らし、対策の必要性を訴えました。

 

ANAによると、直近のベンチマーク調査では、DSPに投じられる広告費$1,000(14万円)あたり約44%が、実際に消費者が目にする質の高いビューアブルインプレッションの購入にあてられていました。言い換えれば、広告費全体の半分以上がこれに該当しないという厳しい結果だったわけですが、昨年の36%からは改善したということです。

 

広告主にとってもう1つの朗報は、MFAサイトに流れた広告費が減少したことです。調査対象となったマーケターは、MFAへのメディア支出が2023年の15%から6.2%に減ったと回答しています。

 

しかし、いまも何十億ドル(何千億円)という広告予算がMFAサイトに流れており、SSPの数が増加していることも、この傾向を助長している可能性があります。ANAは「(広告購入に)使用されるSSPの数は、2023年の平均19をわずかに上回っており、さらなる最適化の余地が大きいことを示している」と述べ、早期対応を呼びかけました。

 

ANAは今後、四半期ごとにベンチマーク調査の結果を公表し、進捗を広告業界とシェアする計画です。

 

TTDが”Premium Internet”と称して上位100社に注力したり、DSPもSSPもSPOの取り組みを強化しているわけですが、一定の効果は出ている一方で、まだまだ課題山積というところでしょうか。またこうした状況は、さらにGoogleやMetaなどのWalled Gardenへの依存を高めることにも繋がりそうです。

 

(参考リンク)

https://www.ana.net/miccontent/show/id/rr-2024-12-programmatic-transparency-benchmark

https://www.adexchanger.com/daily-news-roundup/friday-13122024/

https://www.adexchanger.com/marketers/the-ana-says-advertisers-are-spending-way-less-on-mfa-but-programmatic-aint-fully-transparent-yet/

Nielsen、快適なスポーツ視聴実現に向けて

スポーツ中継といえばこれまではリニアのチャンネルのいずれかで放送されていましたが、昨今は配信サービスが続々とこの分野に進出したため、視聴者はどこで何の試合を見ら[…]

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スポーツ中継といえばこれまではリニアのチャンネルのいずれかで放送されていましたが、昨今は配信サービスが続々とこの分野に進出したため、視聴者はどこで何の試合を見られるのか発見するのに手こずっているそうです。

 

こうした需要に応えるため、NielsenのGracenote部門が、リニア、配信両方でのスポーツコンテンツ検索・発見ツールを提供すると発表しました。来年のCESでデモストレーションを予定しています。

 

Gracenoteの製品は、150以上の異なるリーグや競技をカバーする単一APIを提供します。ファンはデータ、ライブスポーツのスケジュール、検索機能を見つけることができ、Gracenoteは今後、試合のスコア表示、チームの順位表、エンターテインメントコンテンツでのアスリートの出演などを反映した機能を追加のオプションとして提供する予定です。

 

Gracenoteは「ライブスポーツ中継は、大勢の熱狂的ファンにリーチし、プラットフォームでのエンゲージメントを向上させるパワーを持っている。Gracenoteの新しいソリューションは、スポーツファンにとっては利便性を、動画プロバイダーにとってはより高いエンゲージメントを実現できる」としています。

 

Gracenoteによると、2024年のMLB(大リーグ野球)中継の93%が、ケーブルのRSNと(地上波の)ローカルチャンネル、配信サービス、そしてスポーツリーグが新設した新たなDTC視聴サービスに分散されていたそうです。MLBの2024年シーズン全2430試合のうち、全米ネットワークの地上波または配信チャンネルで放送された試合はわずかに150試合でした。こうした状況は、野球ファンにとっては混乱の極みだとGracenoteは指摘しています。

 

確かにYouTubeTVなどに加入している人はまだよいですが、そうでない人にとっては、こうした機能は必要になりそうですね。Gracenoteならではのメタデータを活用したサービスと言えそうです。

 

(参考リンク)

https://variety.com/2024/tv/news/nielsen-gracenote-search-sports-streaming-1236245371/

WBD、組織再編でテレビアセットを分離

Warner Bros. Discovery(WBD)は、全事業を新設する2つの事業部門に集約し、その一環でテレビ資産をストリーミングおよびスタジオ事業から分離[…]

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Warner Bros. Discovery(WBD)は、全事業を新設する2つの事業部門に集約し、その一環でテレビ資産をストリーミングおよびスタジオ事業から分離する組織再編計画を発表しました。関係者の間では、WBDが将来的にケーブルテレビ事業を本体から切り離し、M&Aなど第三者と何らかの取引を模索する準備に入ったとの見方が出ています。

 

WBDのCEO、David Zaslavは新体制について、「進化するメディア環境に対応し、将来の潜在的な戦略機会により柔軟に対応するため」と説明しています。

 

Warner Bros. Discovery expects the new structure to be in place by the middle of 2025. Photo: Getty Images

 

再編計画では、WBDが親会社となり、傘下に「Global Linear Networks」と「Streaming & Studios」の2事業部を新設します。Global Linear Networks事業部では、TNTやCNN、TBS、Food Network、HGTVなどのケーブルテレビネットワークを運営し、もう一方のStreaming & Studios事業部では、ストリーミングサービスのMaxとDiscovery+、HBO、映画・テレビ制作スタジオ、IPポートフォリオの管理を手掛けます。

 

WBDは来年半ばの再編完了を予定しています。

 

消費者のコードカットに歯止めがかからず広告予算もデジタルプラットフォームに流れる中、メディア各社はケーブルテレビ事業の今後について難しい判断を迫られています。11月にはComcastが、ほぼ全てのケーブル資産をスピンオフして新会社を設立すると発表し、WBDを含む他のメディア大手がこれに追随するのではないかとの憶測が飛び交っていました。

 

しかし、ケーブルネットワーク事業は成長エンジンではなくなったとはいえ、いまもドル箱事業です。WBDでも同事業は最大の収益源であり、今年1~9月期の売上は前年同期比3%減の$15.4B(2兆1,560億円)でした。

 

既報の通り、2025年からのトランプ政権下ではM&Aに対する規制が緩和され、大型案件が増えることが予想されています。WBDのCEO、David Zaslavも新政権下での規制緩和への期待を公言し、メディア業界ではさらなる統合が必要だとたびたび言及してきました。今年初めにはParamount Globalと合併を検討していたとも報じられています。

 

2022年4月の誕生以来、いずれ買収のターゲットになるか、他社と合併するのではないかとの憶測が絶えないWBDですが、今回の再編計画を受け、M&Aをめぐる話題の中心に再び躍り出た格好です。

 

Comcastの動きに追随する動きですね。PEも動き出しているようですし、ケーブルネットワークの再編は避けられないものとなりそうです。

 

(参考リンク)

https://ir.wbd.com/news-and-events/financial-news/financial-news-details/2024/WARNER-BROS.-DISCOVERY-ANNOUNCES-NEW-CORPORATE-STRUCTURE-TO-ENHANCE-STRATEGIC-FLEXIBILITY–2024-wd5V25Sccu/default.aspx

https://www.axios.com/pro/media-deals/2024/12/12/warner-bros-discovery-reorg-separates-tv-assets

https://www.wsj.com/business/media/warner-discovery-to-restructure-setting-up-potential-strategic-opportunities-37fabf0f?mod=media_more_article_pos3

Netflix、エクスペリエンスマーケティングに注力

Netflixは2025年、エンタメコンプレックス「Netflix House」をペンシルベニア州King of Prussiaとテキサス州ダラスでオープンしま[…]

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Netflixは2025年、エンタメコンプレックス「Netflix House」をペンシルベニア州King of Prussiaとテキサス州ダラスでオープンします。10万平方スクエア(9290平方メートル/2965坪)の巨大なコンプレックスには、レストランやギフトショップ、Netflixヒットコンテンツのイマーシブ(没頭型)体験施設などが入ることになっています。その準備段階として同社は、Netflixブランドを単なる配信サービスではなく、エンターテインメント・ブランドとして位置付けるための戦略を2024年をかけて推し進めてきました。

 

 

全米、欧州、アジア太平洋、南米とグローバルでこうした戦略を率いるのは、NetflixのConsumer products & experienceのVP、Josh Simonです。Netflix Houseについて「DisneyやUniversalのように何十年という歴史はないが、逆にNetflixはゼロから作り上げる自由がある。Netflix Houseは年間を通して、Netflixコンテンツのファンにエンゲージメント体験を提供するものだ」と語っています。もちろん、こうした”体験”によって現在のグローバル契約者2億8270万人をさらに押し上げることも目指しています。

 

 

Simonはこの1年間、厳選ブランドとのコラボレーションによるキャラクター商品の開発やライセンシングを手掛けてきました。Crocs、Johnnie Walker、Pumaなどが「Squid Game」テーマの関連商品をリリース。ジュエリーのPandoraが「Stranger Things」とのコラボで、ファンがデザインしたジュエリーコレクションを展開しています。英国のシューズブランドClarks Originalsは、「Stranger Things」のロケ地やキャラクターに関連したテーマシューズを番組のシーズン5開始に先駆けて発売しました。アイスクリームパーラーScoops Ahoyも、「Stranger Things」テーマのアイスクリームをWalmartで販売し、11月6日の「Stranger Things Day」には、全米各地でアイスクリームトラックを走らせ、このテーマアイスクリームを販売したそうです。「Scoops Ahoyのテーマアイスクリームは全米だけでなく、グローバルで大いに“ウケている”」とSimonは話しています。

 

 

また、過去1年間でNetflixは、世界中100以上の都市で50以上のライブ体験型店舗をオープンしています。新しいところでは、10月にニューヨークでオープンした「Squid Game: The Experience」があります。IPクリエーターSuperflyとの共同制作で、来場者は5つのチャレンジを体験でき、入場料は$29(4060円)〜となっています。

 

過去2年間、Netflixは$2.5B(3500億円)の広告予算を配信プラットフォーム中心から、こうしたブランドとのコラボレーションなどを中心にした、いわゆる”エクスペリンスマーケティング”にシフトしているということです。

 

(参考サイト)

https://www.adweek.com/brand-marketing/no-you-havent-entered-the-upside-down-netflix-is-everywhere-heres-why/

TikTok、禁止期限までTick Tock

クリスマスまであと8日ですが、広告主にとっての関心事は、TikTokの禁止期限までのカウントダウンに集まっています。期限までは残り34日です。   D[…]

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クリスマスまであと8日ですが、広告主にとっての関心事は、TikTokの禁止期限までのカウントダウンに集まっています。期限までは残り34日です。

 

Digidayによると、広告主はTikTokが禁止されることも想定し、1月19日の期限以降のキャンペーンに対する代替計画も立てていると言います。

 

広告主にとっては幸いなことに、TikTokのパフォーマンス広告やCPMは他のソーシャルメディアとそれほど大きく変わらないため、禁止後の予算再配分はそれほど難しいものとはならないだろうと予想されています。

 

他のプラットフォームも、広告主やユーザーの移行を後押しするための施策を進めています。例えばSnapchatは、2月にクリエイターマネタイズプログラムを拡張する予定ですし、Pinterestは10月に広告主向けの新たな自動キャンペーン機能を発表しています。

 

 

TikTokについては、2024年4月に「Protecting Americans from Foreign Adversary Controlled Applications Act」を議会が可決し、バイデン大統領が署名。この法律は、TikTokの親会社である中国のByteDanceに対し、2025年1月19日までに米国事業を売却しなければ、TikTokの米国内での利用を禁止すると定めています。

 

これに対し、TikTokは即座に裁判所に差し止めを訴えましたが、2024年12月6日、ワシントンD.C.の連邦控訴裁判所は、TikTok側の異議申し立てを退け、新法は合憲であるとの判断を示しました。 裁判所は、国家安全保障上の懸念からこの法律を支持しています。

 

TikTokは控訴裁の判決を受け、2024年12月10日に米国連邦最高裁判所に上訴し、禁止措置の差し止めを求めています。 TikTokは、禁止が実施されれば、米国内の1億7,000万人以上のユーザーの言論の自由が侵害されると主張しています。

 

現時点では、2025年1月19日(トランプ次期大統領就任の前日)までにByteDanceがTikTokの米国事業を売却しない場合、TikTokは米国内での利用が禁止される見通しですが、上述の 最高裁の判断や新政権の対応によって、状況が変化する可能性があります。

 

2025年1月20日に就任予定のドナルド・トランプ次期大統領は、選挙期間中にTikTok禁止に反対する姿勢を示していましたが、就任後の具体的な対応は不透明であり、政策の行方が注目されています。

 

この問題は、米中間の国家安全保障やデータプライバシーに関する懸念が背景にあり、今後の法的・政治的な動向が注視されています。1月の期限に向けて、TikTok禁止への時計の針もTick Tock…

 

(参考リンク)

https://digiday.com/marketing/marketers-prepare-for-a-world-without-tiktok-as-ban-nears/

https://www.reuters.com/legal/tiktok-turns-us-supreme-court-last-ditch-bid-avert-ban-2024-12-16/

アカデミー賞中継、Huluで初のライブ配信

来年3月開催の第97回アカデミー賞授賞式が、ABCでの生中継に加え、Huluでもライブ配信されることが決定しました。ABCとAcademy of Motion […]

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来年3月開催の第97回アカデミー賞授賞式が、ABCでの生中継に加え、Huluでもライブ配信されることが決定しました。ABCとAcademy of Motion Pictures Arts and Sciencesが発表しています。ライブ配信はアカデミー史上初となります。Huluのプランは有料版で複数ありますが、全プランの契約者が当日のライブ配信を見ることができ、翌日からのオンデマンドも視聴できるそうです。

 

 

ABCでのアカデミー賞授賞式生中継は今回で50年連続となります。今年も世界200の国と地域で放送されるということです。

 

Huluで授賞式をライブ視聴する場合には、広告ありなら月額$10(1400円)、広告なしなら同$19(2660円)。HuluとDisney+のバンドルプランは月額$11(1540円)から、Hulu、Disney+、ESPN+なら同$17(2380円)からとなり、Hulu + Live TVは月額$83(1万1620円)です。アカデミー賞授賞式のライブ配信視聴は、これら全プランが対象となります。

 

来年1月のGolden Globes賞授賞式も、CBSに加えてParamount+でも初めてライブ配信されることがすでに発表されており、アカデミー賞はそれに続く動きとなります。

 

従来のケーブルや衛星(MVPD)、または配信でのライブ視聴(vMVPD)に加入していない視聴者にも、Huluでライブ配信をすることで、アカデミー賞授賞式の視聴選択肢が大きく広がることはアカデミー賞にとってプラスであり、これを機に新規契約者を増やしたいDisneyにとってもプラスとなります。2024年はアカデミー賞ほかアワード番組の視聴が復活を見せましたが、来年は授賞式のライブ配信をプラスすることで、さらなる復活を狙いたいところでしょう。

 

来年のアカデミー賞授賞式は3月2日(日)、お馴染みロサンゼルスのドルビーシアターで、現地時間午後4時から始まります。レッドカーペットは3時半からですが、これらも全てHuluでライブ配信されるかなど、詳細はまだ発表されていません。レッドカーペットを見たいという映画ファンも多いので、こちらにも注目が集まります。2019年以降、アカデミー賞授賞式はホストなしで開催されましたが、今年はコメディアンで深夜トーク番組のホストをしていたConan O’Brienが決まっています。

 

もっと前にこうした施策が取られていてもおかしくありませんでしたが、MVPDとの関係でなかなか踏ん切りがつかなかったという事情もあるのかと思います。ケーブルのコードカットが深刻な中で、一方でストリーミング視聴は育ってきており、Disneyのみならずこうした切り替えのタイミングが迫ってきているものと思われます。

 

(資料リンク)

https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/academy-awards-stream-live-hulu-1236083350/

https://deadline.com/2024/12/oscars-2025-streaming-hulu-1236200249/

https://www.tvguide.com/news/how-to-watch-the-oscars-hulu/

世界広告費、2024年に初の1兆ドル突破

GroupMは2024年の世界広告費について、前年比7.8%増の当初予測を9.5%増に上方修正し、見通しより1年早く$1T(140兆円)を超えるという予測を発表[…]

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GroupMは2024年の世界広告費について、前年比7.8%増の当初予測を9.5%増に上方修正し、見通しより1年早く$1T(140兆円)を超えるという予測を発表しました(米国の政治広告費を除く)。同社は今夏、$1T(140兆円)達成は2026年になるという予測を2025年に前倒ししたばかりですが、さらに1年早めたことになります。2025年はさらに7.7%増えて$1.1T(154兆円)になるとしています。

 

2024年の成長率は、2023年の8.4%増を上回ります。GroupMは成長率を上方修正した理由として、Google、Meta Platforms、ByteDance、Amazon.comを含む大手広告セラーの広告売上が大幅に伸びていることを挙げています。

 

政治広告を除く米国の広告費は、2024年に前年比9.0%増の$379B(53兆600億円)、2025年は同7%増になると予測しています。一方、来年以降については、トランプ次期政権の関税政策が広告業界に与える影響が不透明だとも指摘。関税引き上げにより海外企業との競争が緩和すれば、米国企業は広告費を縮小する可能性がある一方で、国内の競争企業が少ない中で市場シェアを伸ばそうと、広告費を増やす可能性もあると予測の難しさにも触れています。

 

大手エージェンシーホールディグスは例年、夏と年末の年2回、広告費予測を発表するのが恒例になっています。GroupM以外ではMagnaが年末の予測で、2024年の世界広告費が前年比10.3%増(夏の予測は10.0%増)の$933B(130兆6,200億円)に達すると予測。2023年は6.4%増だったことから、GroupMと同様に2024年は成長が加速するとみています。米国広告費は前年比12%増の$380B(53兆2,000億円)と、中国の$155B(21兆7,000億円)を上回り、引き続き世界最大を維持する見込みです。

 

2025年については、世界広告費は6.1%増の$990B(138兆6,000億円)、米国広告費は4.9%増えて$400B(56兆円)の大台に迫ると予測しています。

 

同じくDentsuは年末の予測で、2024年の世界の広告費成長率予測を6.8%増(前回5月発表時から1.8ポイント増)へ上方修正し、市場規模は$772B(108兆800億円)になるとの見通しを示しました。2025年は5.9%増。米国広告費は8.0%増の$362B(50兆6,800億円)、2025年は6.3%増の$385B(53兆9,000億円になると予測しています。

 

PublicisのZenith Mediaは慣例を破り、今年は年末の予測公表を見送りました。

 

(参考リンク)

https://www.groupm.com/this-year-next-year-2024-global-end-of-year-forecast/

https://www.ipgmediabrands.com/magna-advertising-forecast-media-innovation-to-propel-the-global-ad-market-towards-the-trillion-mark/

https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001375.html

https://www.wsj.com/articles/ad-revenue-predicted-to-top-1-trillion-this-year-for-the-first-time-2c9215a5?mod=media_more_article_pos5

 

「Ms. Rachel」、子供向け動画で大ヒット

一昔前、アメリカの子供と親にとってのアイドル的存在といえば「Mr. Rogers」。Shari Lewisの「Lamb Chop」や、日本でもお馴染みの「セサミ[…]

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一昔前、アメリカの子供と親にとってのアイドル的存在といえば「Mr. Rogers」。Shari Lewisの「Lamb Chop」や、日本でもお馴染みの「セサミストリート」も然りです。こうした人気を支えていたのはテレビであり、公共放送局PBSや子供向けケーブルチャンネルNickelodeonでした。

 

今、3歳以下の子供とその親の間で凄まじい人気となっているのが「Ms. Rachel」、YouTuberです。YouTubeの視聴がモバイルからテレビの大画面へとシフトしたことが、Ms. Rachelを乳幼児の間でのスーパースターに育てた要因の一つだとNYTが伝えています。

 

 

子育て世代以外にはピンとこないかもしれませんが、NYTの言葉を借りれば「Ms. Rachelはキッズ・コミュニティーのテイラー・スウィフト」。最近は、Sesame Workshopとのコラボレーションで「セサミストリート」のElmoとAbby Cadabbyとも共演。また、ポップスターJohn Legendからのラブコールで共演し、Legendがその動画を自分のInstagramアカウントに投稿。「僕の子供にとってMs. Rachelはかけがえのない存在なんだ」と発信をしているほどです。

 

今年のホリデーシーズンには、その人気に着目したおもちゃ会社Spin Masterが、Ms. Rachelブランドのおもちゃを発売しています。Target、Walmart、Amazonによると、実店舗、Eコマースサイトともに、購入待ちがでるほどの売れ行きだそうです。病気の子供たちの願いを叶える慈善団体「Make-a-Wish Foundation」には、「Ms. Rachelに会いたい」というリクエストが数多く寄せられ、2023年からMs. Rachelは6回に亘りそうした要望に応えているそうです。

 

Ms. Rachelは、本名Rachel Accurso(41歳)。夫Aron(45歳)とともに、3歳以下の幼児とその親向けにペアレンティングのYouTubeチャンネルをニューヨークの自宅から配信しています。夫のAronも「Mr. Aron」として子供たちに親しまれています。もともとは、Accurso夫妻の子供に発語障害があり、あらゆる支援を得てもまだ足りなかったことから、「自分たちで何とかしよう」と一念発起。どのように子供に話しかければ発語を促すのかを研究・模索し、育児をする親とその子供たちを支援したいという思いで、2019年にYouTubeチャンネルを始めたそうです。ちなみに夫妻の子供は、努力の甲斐あっておしゃべりマシンと化しているそうです。

 

二人の動画第1号は、2019年2月13日に投稿した「Bubble, Bubble Pop! Fun circle time song for kids!」で、延べ再生回数は950万回。それ以降配信した動画は全て再生回数1億回を超えるそうです。「YouTubeのリーチがこれほどとは想像していなかった」ということですが、2024年にはサブスクライバー数1200万人を達成しています。もちろんこれ以上のサブスクライバー数を持つキッズ関連チャンネルは他にもありますが、YouTubeによると、Ms. Rachelはテレビ画面上での再生回数がダントツだということです。

 

Ms. Rachelの動画の一つ「First Words, Songs and Nursery Rhymes for Babies」(参考リンクを参照)は延べ再生回数10億回。YouTubeによると、これだけの再生回数を叩き出せるのは通常、プロのミュージックビデオに限られるということで、他に10億回の再生回数を達成したのは、2012年の2012 K-popクラシック「Gangnam Style」と聞けばその凄さが分かるかと思います。

 

二人のバックグラウンドを知ると、この大成功もうなずけます。Ms. RachelはNYUで乳幼児向け音楽教育修士号を取得しており、幼稚園から小学校2年生までを教えていた経験があります。そして、Mr. Aronはピアニストで、長年ブロードウェイの音楽監督として、「Sister Act」や「Aladdin」などを手掛けた人物です。つまりこのYouTubeチャンネルは、乳幼児教育のプロと音楽のプロが立ち上げた「ハイレベルな乳幼児発達支援プログラム」というわけです。しかも、Mr. Aronのブロードウェイ時代の友人が続々とプログラムにゲスト出演し、そのレベルはまさにブロードウェイ。子供たちが夢中になって、テレビ画面からのMs. Rachelの問いかけや歌声に反応するのだそうです。

 

教育的で子どものためになる動画を探す多忙な親にとって、Ms. Rachelはもってこいのコンテンツなのでしょうね。個人的には歌のお兄さんとお姉さん的な感じを覚えますが、こうしたヒットを生み出すのがYouTubeというところが、時代ですね…

 

(参考リンク)

https://www.nytimes.com/2024/11/29/business/ms-rachel-youtube-holiday-toys.html

https://www.youtube.com/watch?v=hTqtGJwsJVE&t=2408s

Nielsen、C3とC7を継続

NielsenとParamountの抗争は続いていますが、Nielsenは現行のカレンシーであるC3、C7の引退を撤回したとADWEEKが伝えています。 &nb[…]

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NielsenとParamountの抗争は続いていますが、Nielsenは現行のカレンシーであるC3、C7の引退を撤回したとADWEEKが伝えています。

 

Nielsenは、2021年に停止されたMRCの認定を2023年4月に回復しました。その後2023年後半には、新たにKarthik RaoをCEOに迎え再スタート。今年のアップフロントでは、Nielsenの新たな商品であるパネル+ビッグデータの指標を公式なカレンシーとして利用可能であることも発表していました。

 

そうした中で起きたParamountとNielsenの抗争は長引いており、Paramountは現在でもVideoAmpなどの代替カレンシーを使用しています。ちなみにNielsenは今年の初めにVideoAmpを提訴しており、VideoAmpがNielsenの特許技術を使用し、メジャメントデータを算出しており「著しくNielsenに損害を与えている」というものです。

 

こうした問題は、引退が発表されていたC3とC7にも影響を与えました。これらの指標は今年のアップフロントでも特にドル箱のスポーツコンテンツでカレンシーとして使用されましたが、そうした需要を見込んだNielsenは、今年のアップフロント前に引退を一旦延期させ、さらには引退をさせないという決定に至りました。

 

Nielsenは、クロスプラットフォームの視聴計測のための個別CM視聴率などの有用性は認めつつ、C3やC7の継続に関してクライアントから強い要望がある現状では引き続き提供を続ける必要があるとしています。

 

リニアでの視聴の多くがスポーツなどのライブイベントとなり、その部分はNielsenのC3が使用されているものの、ストリーミングへのシフトが進むエンタメでは、VideoAmpなどが使用されているという状況は以前お伝えした通りです。特にエンタメコンテンツではストリーミングが急拡大する中で、一時ほどリニアとデジタルをパッケージしてセールスするという手法への需要が減退してきているのかもしれませんね。その意味ではリニア(スポーツ)で必要となるのは過去のベンチマークがあるC3ということで納得がいきます。Nielsenも営利企業ですので、需要があるのであればそのまま提供するというのは当然の流れかと思います。

 

(参考リンク)

https://www.adweek.com/convergent-tv/nielsen-no-longer-sunset-tv-measurement/